愛しの我が脳ミソ:読書感想『奇跡の脳ー脳科学者の脳が壊れたときー』

水曜日は【~うとうと読み読み~】、独断と偏見による読書感想文をお送りしています。

『奇跡の脳』

今回ご紹介するのは、ジル・ボルト・テイラー著 竹内 薫訳
『奇跡の脳ー脳科学者の脳が壊れたときー』です。
ノンフィクション作品です。

サブタイトルにもある通り、脳科学者である著者が脳卒中に倒れ、その瞬間から回復していくまでの様子を御本人が克明に記録している作品です。


ここで知ったのが、「脳の可塑性」。

脳の神経細胞が、壊れてしまった部分をカバーするために別の部分の神経細胞が働き始める機能のこと…らしいです。

脳自身が、器である身体をできるだけ元のように動かすために、最適化を目指して神経を変化させていくようなのです。

可塑性か~ 脳を美しく彫刻していく感じなのかもなーと思いました。「塑」像ていう言葉もあるし。

ちょっと話がズレますが

以前、N●Kのドキュメンタリー番組で、レオナルド・ダ・ヴィンチの年代別語彙能力の発達について取り上げていたのを観ました。

彼は、子供の頃はあまり親や家族に恵まれず、学校にも通えてはいなかったようです。
ところがその後、大人になっていくにつれ関わっていく人たちが増えていくと、晩年になっても語彙が増え続けていった…とか。

そこでふと思ったのが

「ひとりの人間が、たとえば何か大きなショックを受けて、挫折したり絶望してしまったりしたあとに立ち直れるのは、『脳の可塑性』のおかげなんじゃなかろうか?」


精神論になるかもですけど、

「このままじゃいかん、なんとかせねば」

と、その人自身も心で思うのかもしれませんが、おそらくそれ以上に、本人が意識するよりももっと早く、その人の脳の神経たちも、
必死こいて

「なんとかせねば!!!」

とフル回転し始めてるんじゃないか? と。

自分の体験からしか話せませんが、私は立ち直りの遅さや打たれ弱さは天下一品を自負しております

そんな私のような人間は、なぜ復活が遅いかを少し考えてみると、

「ここで何か新しいことを始めたって、どうせムリなんだ…」

と思ってしまい、諦めようとするからかなぁ、と思います。

脳の「なんとかせねば!!!」と、
心の「どうせムリだわ…」で、

バランスが崩れると身持ちも崩す気がします(あくまで私の体験からの意見です)。

脳と心が綱引き状態になると、プツン、と小さな綻びからあっという間に綱が切れてしまうと、心の方が勝ってしまって、脳が壊れてしまうのかもしれません。

後から知ったのですが、テイラー氏はTEDtalkにも登壇されているんですね。

こちらは20分くらいで視聴できました。ご興味のある方は是非。
スピーチの途中で本物の脳が出てきますが、だいじょぶな方は是非。


脳の話と言えば、漫画「地雷震」のラストエピソードも思い出します。

当時のコミックスの帯に確か、問いかけのセリフが被せてありました。

人の心ってどこにあるんでしょうか? 心臓――それとも、脳――

自分=ひとりですが、ひとりやひとつを形作るのに、何億個もの細胞や原子たちががんばってくれてんだなぁ、など考えて、なんだかLOVE。



今日はこの辺で。ではまた。


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