今回は、年賀状の印刷についてお話します。
自宅の家庭用プリンタで印刷するとき、テスト印刷をします。
…するのですが、どういうわけか、いざ実際の年賀ハガキに印刷した時に限って
印刷ミス続出。
フチなし、上下逆さま、イラストを横切る謎の黒い線…etc
テスト、したじゃない…さっき、したのに!!
せっかく買ったインクジェット用の年賀ハガキがああああああ!!
……そんな、私のような人向けの記事です。
※現在は自宅用プリンタは手放しています。
描く以外の知識が必要
イラストって、たいていは二次元ですよね?
データでの扱いが多くなってきている感じはしますが、そのほとんどが、紙など、何かに印刷されます。
年賀状も同じく。
で、記事の冒頭で申し上げたように、
プリンタを持っていなかったり、印刷ミスで悲しい思いをしたりしないために、外部のプロにお任せしてみましょう!!
ていう、ご提案です。
毎年9月中旬あたりから、多くの印刷会社さんが
年賀状印刷の早割キャンペーンをされています。
お近くに印刷会社さまがあれば、直接店舗に伺ってご依頼してみるのもいいかもしれませんが
現在では、
コンビニにめちゃくちゃ高性能なコピー機が置いてあり、そちらで印刷してみたり、
『web入稿』を受け入れて下さるところも、たくさんあります。
まず、気になる印刷会社さんを探して、サイトに行ってみましょう。
[年賀状印刷 少部数]
などで、まずは検索してみてください。
無知の知
はい。検索結果から、「お!」と思う印刷会社さまは見つかりましたでしょうか?
ではさっそく、サイトトップへGO!
web入稿OKの印刷会社さまのページには、たいてい
『はじめての方へ』とか、
『ご利用ガイド』などのページを設置して下さっています。
さて、いざそのページに行きますと
専門用語の海。
「えっ? …は? オンデマンド? おふ…おぅふ…オフセット??」
「拡張子ってなに…??」
「CMYKとは??」
ページをそっ閉じたくなった人ー。\はーーーーーーーーーい/
お気持ち、ものすごくわかります。わかりみが強い。
ですが、ここでもまた、インターネットに助けてもらいます。
ネット万歳。
わからない専門用語を、片っ端から調べます。
インターネットやデジタルには、どうにも拒否反応が出る…ていうときは、
本を読みましょう。
先人たちの知恵と工夫があふれています。
印刷のことを知る上で、手元に一冊あるとものすごく安心する本を、ここでご紹介させてください。
井上 のきあ著 『入稿データのつくりかた』(敬称略)↓
印刷やグラフィック専用のPCソフト、Adobe社の PhotoshopやIllustrator、InDesignの前知識をある程度お持ちの方向け…とのことですが、わからないところから索引で探していくと、
「『web入稿について』ページで印刷会社さんが説明されてるのは、このことかー!」
ていうのが、だんだんわかってきます。
自分の描いたものが、きれいにプロ仕様で印刷されたものを手にすると、
何とも言えず、嬉しいものですよ…!
ぜひ一度、印刷所さんでの年賀状印刷にトライしてみてくださいね~♪
こぼれ話
これは、私が年賀状のイラストご依頼を受け始めたころの話です。
2005年、私は酉年の年賀状イラストのご依頼を受け、オナガドリをモチーフにした作品を描きました。
それなりに懸命に、お渡しの日までけっこう余裕をもった時間で描き上げ、
「印刷はプロにやってもらおう」
と、私は、とあるチェーン展開の印刷屋さんへお願いしに行きました。
\そこでちょっとお伝えしておきたい、当時の私のスペック/ ↓
- ラフから仕上げまでオールアナログの絵描きもどき
- お客さまとのやり取りは実家の電話連絡&対面のみ
- 印刷知識ほぼゼロ
- デジタル知識もほぼゼロ
- データ保存のデバイスはフロッピーディスク
- ろくな社会人経験もなし
- 自ら外出することもほぼなし
などなど。
…いったいお前はいつどこからやってきたんだ? というくらいの世間知らずでした。
こうして書いてみると、知識がどうの以前の問題。
なぜ外注しようと思ったかというと、
インクジェット用の年賀ハガキは、ご依頼主様がご自身で購入されたものをすでに預かっており、
(自宅のプリンタでは印刷ミスが多く出るため、ミスをするわけにはいかない…!)
と考えたからでした。
さらに、その印刷屋さんのお店の前には
『イラストデータのお持ち込みで、オリジナル年賀状を作れます!』
と、大きく書かれたのぼりがデデン!立っていました。
(これは…お仕事なのだ!私はイラストレーターなんだ!!)と、鼻息荒くして印刷屋さんに向かいました。
お店の人に完成イメージとして原画をお見せし、フロッピーディスクを預け、依頼しました。
印刷に少しお日にちいただきます、との返事。
ワクワクしながら待ち、数日後、連絡に従って受け取りに行きますと、
手渡されたのは
明らかに C(※シアン:青色)のインクが抜けた、なんか妙に黄色っぽいオナガドリの年賀状ハガキ100枚の束。
※印刷に使われる色彩表現『CMYK』のうちのC
(C→シアン:青 M→マゼンタ:赤 Y→イエロー:黄 K→キー・プレート(Key plate):黒)
(えっ…?)(原画、見せたはず…だよな?)
と、ボンヤリしたまま家に帰り、中にちゃんと印刷されたものが一枚でも混ざっていないか、確認しましたが
しっかり全部、黄色っぽい。
…………。
ショックでした。
ミスをするわけにはいかない、と、プロの印刷屋さんにお願いしたはずでした。
お客さまからお預かりした100枚ぜんぶが印刷ミス。
しかも、当時の私自身は、こんなトラブルに見舞われるのは初めてで、社会人経験もなく、ヌルめに育ったために、自らの打たれ弱さの自覚もない人間でした。
もうパニックです。
思い返せば、ここですぐに自宅に引き返し、原画を持って行って印刷屋さんにクレームを入れればよかったのかもしれませんが…そんな頭もなく。
すぐにお客様にご連絡し、泣く泣く理由をお話しました。
するとなんと、
「そのままで構いませんから、ください。制作料金もお支払いします」
と、お申し出くださったんです。
むしろ、こちらがハガキ100枚分買い取るべきだったにも関わらず。
ガンガンにクレームを入れられても、おかしくない状況でした。
申し訳なさと感謝でいっぱいで…。
なんとお礼を申し上げてよいか、わかりませんでした。
そのお客様はその後も年ごとにご依頼してくださり、約10年ほど、継続してご依頼をいただきました。
忘れられない、印刷にまつわる一件です。
おススメしといてこんなエピソードを暴露するのも気が引けたのですが…。
だ~いぶ昔のことですので、現在では、めったにこんなトラブルはないと思います。
めんどいかもしれないけど、知識はあって損はないよーってことで。
ご参考までに!
今日はこの辺で。ではまた。